こんにちは。シルヒです。
西口一希さんの執筆された、『顧客起点マーケティング』を読んだので、内容をまとめていきたいと思います。
統計的な調査というよりも、1人の顧客の意見を深堀する定性調査をメインに議論している本で、アイデアや仮説出しの基本を解説してありました。
定性調査を学びたいマーケターだけではなく、クリエイティブや商品開発部の方々にもおすすめの一冊です!
書籍情報

マーケティングの成功には『アイデア』が必要だ

西口一希さんは、マーケティング成功には”アイデア”が必要だと述べていました。
では、”アイデア”とは何でしょうか。
“アイデア”とは、便益と独自性からなります。便益はその商品・サービスを使って得られる利益(スマホでいえば電話やネット検索など)で、独自性はそのまま(ソフトバンクCMで犬がしゃべるなど)ですね。
その中でも、商品やサービスそのものに関する”アイデア”は『プロダクトアイデア』、商品やサービスを対象者に認知してもらうための”アイデア”は『コミュニケーションアイデア』といいます。
これら2つの”アイデア”がマーケティング成功には不可欠です。
冷静に考えれば普通のことを言っているだけですが、こうして整理して考えることで意識しやすくなるのではないでしょうか。
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N1分析で、アイデアを発見する

では、強いアイデアを発見するには、どうすればいいのか?それは、N1分析により発見することができるのだと書いてありました。
N1分析とはその名の通りサンプル数1の分析のことで、1人に対してインタビューなどで徹底的に深堀する分析をいいます。
リサーチ用語では定性調査ともいい、大量サンプルに対する調査と相互に補い合える長所がそれぞれあります。
N1分析の良さは、1人のことを具体的に知ることができるため、新しい仮説やアイデアを得られるということです。
大量サンプルの分析ではどうしても具体的な内容までは踏み込めないため、仮説出し・アイデア出しには向いていません。
それに対してN1分析であれば、商品を知ったきっかけ、使っている理由、具体的にどこが良いのかといったことがはっきり把握できます。
ただ、そのアイデアが万人受けするかどうかは把握できないため、定性調査→定量調査→定性調査…というように、交互に繰り返していくことが多いです。
顧客ピラミッド

西口一希さんは、消費者を分析するために”顧客ピラミッド”を推奨していました。
消費者をロイヤル顧客・一般顧客・離反顧客・認知未購買顧客・未認知顧客の5つに分類し、それぞれのセグメント固有の課題や機会を発見するというやり方です。
ピラミッドの下層にいる顧客をロイヤル顧客化・一般顧客化していくことが理想的です。
そのために、どのセグメントに投資をするかを定め、たとえば「未認知顧客→認知未購買顧客」を目指すなら、マスメディアで広告を打つのが手っ取り早いし、「離反顧客→一般顧客」を目指すならアンケートなどで離反した理由を聴取して対策を打てば早いかもしれません。
このように、各セグメントにより必要な広報は違いますので、分けて絞って考えることが近道なんですね。
顧客9セグマップ

顧客ピラミッドをより細かく分類したのが、顧客9セグマップです。
こちらは、各セグメントを”積極/消極”で再分類しています。
わかりやすいように美容院で例えましょう。
“積極顧客”とは、美容師の人柄やカット技術が好きだから通うといった人たちのことで、顧客となるうえで積極的な理由があり、離反のリスクが少ないです。
それに対して”消極顧客”とは、家から近い美容院がそこしかないから通うといったことで、もし別の美容院が近所にできたら離反してしまうような消極的な顧客となっています。
このマップでは、顧客を左から右/下から上に動かすことを目的に考察します。左から右への移動は販売促進に、下から上への移動はブランディングに繋がると考えればわかりやすいかもしれません。
ぜひ9セグマップで顧客の動きを把握し、戦略を立てていきましょう!
おわりに
西口一希さんの『顧客起点マーケティング』について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
マーケティングの根本的な考え方から、N1分析や顧客マップなど、盛りだくさんな良著だったと思います。
初心者マーケターさんにはもちろん、企画開発や経営判断を求められる部署の方にも、たくさんの学びがあったのではないでしょうか。
この記事で紹介したのはあくまで基本的なことのみなので、ぜひ実際に手に取って読んでみてくださいね。もっと深く西口さんの理論を理解できると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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